年末ですね。

去年のちょうど今頃、新しいお客さまが我が家の工房を訪ねてきてくださいました。

福岡の文具メーカー「ハイタイド」の赤塚由美子さんです。

キリッとした目と眉、そして、ふんわりとしたお洒落な服装がとても印象的な女性でした。

 

「北欧のキャラクター”ムーミン”を、博多人形で作れませんか?」

それは、ムーミン博多人形が生まれることになったスタートの日のことです。

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赤塚さんは、既存の他素材(例えば樹脂など)からできたムーミンのフィギュアや、作者トーベヤンソンさんの描くムーミンの世界観やイラストを丁寧に説明してくださいました。

主人と私は、ムーミンは子供の頃のアニメの印象が少し残っているくらいで、私にいたってはムーミンが”妖精”であることさえ、正確には知りませんでした。

 

 

赤塚さんは、ムーミンを博多人形で表現するときに、素朴で、優しくて、あたたかみのある感じ、そして白くてなめらかな曲線をイメージしてらっしゃるようでした。

そこで、わたしたちふたりは、主人の父が遺したこちらの人形をみていただくことにしました。

松尾文夫 作 「野菊」

松尾文夫 作 「野菊」

ツルッとした曲線や、真っ白な彩色、またムーミンの手に”花束”か”本”のどちらかを持たせたいという赤塚さんのイメージに、なぜかこの「野菊(のぎく)」がぴったりと重なる気がしたのです。

 

父がまだ若かったころ、新しい博多人形を作ろうと、父は野菊のような「真っ白い博多人形」をたくさん発表したと聞いています。

それまでの博多人形は、彩色や造形の凝ったものが多く、色も形もスッキリとした白い博多人形は最初業界の中で、あまり受け入れられなかったと聞いています。

しかし、その後、モダンにもみえるその形状と色彩が、当時の人々の生活様式や好みと合ったのか、白い博多人形は大ヒットし、父のほかにもいろいろな博多人形師の手によって、さまざまな種類の「白い博多人形」が生まれることになったそうです。

 

赤塚さんは、野菊やほかの父の人形を見て、素焼き人形の素朴な感じとイメージが

「ムーミンに合うと思います!」と気に入ってくださり、野菊に使っている技法、花束の立体表現の仕方や彩色の感じを、うまくムーミンにいかして行きましょうとお話ししました。

 

松尾吉将 作 「ムーミン博多人形」

松尾吉将 作 「ムーミン博多人形」

ちなみにこちらが完成した「ムーミン博多人形」どうですか?(^_-)-☆

ムーミン、なんとなく「野菊」のおもかげがあるでしょう?

 

私の中で、”野菊”はムーミンの「お姉ちゃん」のような存在です。

白い博多人形は、焼きあがった素地を丁寧に凹凸を整えなければいけないので、手間も時間もかかりますが、父のもとでたくさんの「白い博多人形」を制作してきた職人さんにはもう慣れた工程ですし

主人も、そして私も、従来の博多人形の技術やノウハウが「ムーミン」に形を変えることでどんな新しい反応がお客さまからあるのか、とてもとても楽しみになりました。

 

 

初めての打ち合わせから、こんなふうにずらっと工房にならび、そして皆さんにお披露目するまで、およそ一年の時間がかかりました。

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折を見て、また、この愛らしく新しい「白い博多人形」についてお話させていただこうと思います。

 

クリスマスも近づいて参りました。

きっとどこかで、誰かのクリスマスプレゼントとして、選んでいただいていることと思います。

 

完成、お披露目まで、根気強く私たち夫婦をサポートしてくださった、ハイタイド・赤塚さんとの出会いに、感謝をこめて・・・今日のブログはこのへんで。続きは、また。(^^)

 

 

 

 

「ムーミン博多人形」スペシャルサイト BYハイタイド

http://hightide.co.jp/sp/moomin/index.html