先日、6歳の長女の乳歯がはじめて抜けました。

 

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待ってました!!

 

・・・どうしてって???

 

博多人形の工程で、本金(金泥・きんでい)で彩色した箇所を磨くのに、この子供の乳歯が役に立つからです。

金泥とは、純粋もしくはそれに近い金でできた粉末を膠(にかわ)で溶いて、練り、絵の具状にしたもの。

 

 

最初、本金と呼ばれる金色の絵の具で塗った箇所はつやのないマットな状態になります。これを「歯」で磨くことで、ピカピカの光を放つようになるのです。

 

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ちなみにこれは、松尾吉将作「波切不動明王」の剣部分。

ほら、ピッカピカ!!

 

 

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こんなところにも!!

 

 

使われるのは、人間の乳歯以外に、犬やオオカミの歯、魚(鯛)の歯など、磨く箇所によって、とがっていたり、小さかったり、大きかったりといろいろと使い分けます。

 

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左側2本は鯛の歯で作ったもの。右端が娘の乳歯で作ったもの。

 

 

 

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義父が持っていた、オオカミの歯。じいちゃん、宝物のように大事に引き出しにしまっておられました。

 

 

子供の乳歯がいいのは、魚の歯よりも硬さがあり、大きさも小ぶりで使いやすいからでしょうか。

娘が赤ちゃんだったころ、歯が生え始めたころから、今は亡き主人の父や主人、職人さんたち皆が「抜けたら、金磨くときに使ったらいいよ!」と話しておりました。

まだ、生えたばっかりの時から、そんな話・・・。(笑)

 

 

この金泥を動物の歯で磨く作業、技術は、古くは平安時代からあったそうで、驚きです。

 

作り方は簡単で、いらなくなった筆の毛先を切り、軸(じく・棒の部分)にボンドで固定するだけ。

 

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工房で彩色を手伝ってくださっている、職人さんは筆の軸に竹串を指し、そこに歯を固定していました。初孫ちゃんの記念すべき1本目の乳歯だったそうです。(*^-^*)

 

「孫の・・・記念です・・・。」「みんな考えることは一緒ですね~」と大笑い。

 

 

今日も、にぎやかな工房でした。