角長呉服店さまへの手紙
角長呉服店さま
この度は、無理をお願いして申し訳ございませんでした。
無事に本日、お仕立てをお願いした袋帯が手元に届きました。
これで明日の娘の卒園式に、真新しい帯を締めて出席できます。
主人の義母から、この帯を譲り受け、あまりにも気に入った色柄だったのでどうしても来るその日に締めたくて「未仕立てのままで一度だけの着用」のご相談をしたのはつい先日のことでしたね。
一度だけ未仕立てで着用し、その後、改めて芯を入れ仕立てに出せばいいと軽く考えていた私に、驚くほどの速さで「卒園式に間に合うよう仕立てを手配しました」とのお返事メール、涙が出そうなくらいびっくりしました。
帯のこと、着物のこと、着る人のことをいつも考えてくださる角長さんに、いままで何度も助けられ、その度に着物のことあれこれを学び、そして感謝してまいりました。
私のように、我流で着物を楽しんでいるものにとって、いつでも気軽にわからないことを相談できる、頼れる呉服屋さんというのは本当にありがたい存在です。
初めてお世話になったのは、多分・・・私がまだ学生だった頃、大学の卒業式の袴をお願いした時のようだった気がします。
その後も、決して多くはないのですが気に入った反物を少しづつ揃えていき、お嫁入りの時に喪服をお願いしましたね。
そしてこの度は、親になり我が子の初めての卒園式と入学式の帯のお仕立てでお世話になりました。
新潟と福岡、遠く離れておりますが、インターネットや電話など、便利なものたちに助けてもらいながらご縁を深めていくことができました。
新潟村上に根をおろしてから九代300年・・・気の遠くなるような「角長」の歴史に不思議と敷居の高さを感じさせないのは、ご主人稲垣さんと奥様の気さくなお人柄にあるような気がします。
今回の帯芯の端布に「3/20 大至急 とじこまかく」との文字がありました。
間違いなく、3月20日仕立て上がり京都発、「超」大至急で、綴じた縫い目も細かく、指定通りに届いています。
これ、記念にとっておきますね。
着物を着るということが、なんだか少し不自由な世の中になった気がしますが、私、相変わらず、初めてお会いした時とほとんど変わることなく、その日その日の気分気ままに楽しんでおります。
二人の娘も、お正月やひな祭り、七五三など毎年行事のたびに着物をまとうことをとても楽しみにする子に育っております。私自身も娘たちが大きくなるにつれ、少しずつまた着物に袖を通す余裕が増えてきた気がします。
奥の深い世界ですので、まだまだ知らないことばかりですが、その度にまたお助けメールや突然のお電話で教えを乞うかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
今回、急にもかかわらず丁寧なお仕事をしてくださった京都の「帯の井がき」さま、また、ヨメ先輩、娘二人のハハ先輩として、いつもお世話になっている角長の奥様にもくれぐれもよろしくお伝えください。
いつか主人と、越後のミケランジェロ「石川雲蝶」巡りをと夢見ておりますので、その際はご案内よろしくお願いいたします。
この度は、本当にありがとうございました。
明日が、よいお天気に恵まれますように。
博多人形屋のヨメより