年賀切手発売中。この「ヒツジ」見て育ちました。
12月ですね。郵便局では年賀状と一緒に、年賀切手が発売されています。
毎年、全国の郷土玩具がモチーフになるのですが、来年の「ひつじ」切手はこちら。
鳥取県岩井温泉「おぐら屋」の木彫り十二支の中よりひつじが選ばれました。
作っているのは、小椋昌雄さん。私にとっては「小椋のおじちゃん」。
実家の母の親戚にあたるので、小さいときからずっとそう呼ばせてもらっていました。
小椋のおじちゃんの奥さんは、「小椋のおばちゃん」。(笑)
私の「人形屋のヨメ」の原点とも呼べるヒト。
よく、「なんで博多人形師と結婚したの??」って聞かれることありますが、小さい頃から小椋のおじちゃんのお店で干支の人形がずらーっと並んで仕上がっていく光景を見ていたので、お人形屋さんという商売が、特別なものというよりは、むしろ身近なお仕事でした。
岩井温泉のお風呂上がりに、おばちゃんちの二階で水ようかん頂きながら、夏の甲子園を観ていたとか。
一階ではおじちゃんがいつものように、次々と干支を作っていて。それが私の小さい頃の夏休みの思い出です。
鳥取は、吉田章也(よしだしょうや)という鳥取出身の民藝運動家の影響で、県内各地で民藝の制作が盛んな土地です。
転勤の多い私の両親でしたが、各地を転々としながらも、鳥取で生まれ育った二人の生活の中には、自然とそのようなものが身近にあった気がします。
上が現在お店に並んでいる、彩色されたものですが、主人たっての希望で彩色前のものを次女の出産祝いにいただきました。
毎年この時期は、主人の干支制作のほうがてんてこ舞いで、年末年始の里帰りなんてしたことありませんが、その代り必ずと言っていいほど小椋のおばちゃんに電話します。
「おばちゃんとこも忙しかろー?(^^)」
電話をとる時間も惜しいほどなのに、「忙しい!忙しい!(笑)」と言いながら、自分も元気にやっているから、貴女もがんばりなさいと、いつもエールを送ってくれます。
松尾の義母が「頼れる」人形屋のヨメの大先輩だとすると、小椋のおばちゃんは「甘えられる」人形屋のヨメ大先輩・・・かな?
実は、この十二支が年賀切手に採用されるのは二度目なのです!
昭和39年の辰年にも。
同じ郷土玩具が二度も採用されることはとっても珍しいことだそうです。おばちゃん、おじちゃん、おめでとう!
春や夏に里帰りした時に、必ずといっていいくらいおばちゃんに会いに行きます。
かつて若かった母が小さな私と兄を連れて来ていた光景と、今こうして、私が娘二人を連れて遊びに来るのが重なると言って、涙をうっすらためながら笑顔と元気いっぱいで迎えてくれるおばちゃんが、私は大好きです。
孫ほど年の離れた私を、同業者としていつも応援してくれる「小椋のおばちゃん」。
やっぱり、人形屋のヨメ、いいなと思います。
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