ふたつの「心」 【展示会:~次世代を担う継承者たちのchallenge】
本日より、櫛田神社横の「はかた伝統工芸館」にて、「次世代を担う継承者たちのchallenge(挑戦)」と題した展示会が始まりました。
博多織と博多人形の若手作家を中心とした作品展で、それぞれの作家さんが、伝統的な作品や代表作とともに、現代のライフスタイルに合うようにと新しい感性で挑戦した作品とを両方展示してあります。
最初にステキだなぁと思ったのは、博多織の帯地を使った積木。
遊ぶ、飾る、集める・・・いろんな楽しみ方ができそうです。(*^-^*)
博多人形師・下川貴士さんの黒田節シリーズ。
伝統的な黒田節をモチーフにしたもののほかに、「松本零士 トチローVer.」、「アビスパ福岡Ver.」と並び、テーマにまとまりがあるのでずっと見ていても飽きません!
他にも、様々な作家さんの伝統的な作品、そして新しく「挑戦」している作品といろいろとありました。
さて、主人もお声かけいただきまして、この度こちらの展示会に3点ほど出品させていただきました。
新しい試みとして挑戦している人形は、伝統工芸館さんたってのご希望で、ブログでもおなじみの「ナッティーラビット博多人形」を展示させていただいております。
福岡のアパレルブランド・ティグルブロカンテのオリジナルキャラクターを博多人形の製法で。
ティグルブロカンテさんとのお付き合いは、もう15年以上にもなります。
一方、伝統的な作風の人形のほうは、吉将作「熨斗出し」と、父 松尾文夫の作品「心」という名の人形を並べて展示することにいたしました。
実は主人の名前で、父の人形を出品するのは今回が初めてです。
「心」は、もう何十年も前に父 松尾文夫が作った人形で、父が亡き後も主人が彩色の仕上げや面相(顔描き)を継承し、いまでも変わりなくご注文をいただいております、息の長い商品です。
じつは、このふたつの人形、並べてみたらわかるかと思いますが、左右対称のカタチや白を基調とした色使い、似ている点が多々あります。
主人も、「熨斗出し」は「心」の影響を大きく受けていると申しておりました。
「熨斗出し」と「心」親子がそれぞれの原型を彫ったこのふたつを見比べてみても面白いと思うのですが、ワタシ個人的には、こちらの鑑賞ポイントもおススメです。
はかた伝統工芸館の即売コーナーのショーウィンドウに、義父本人が生前描いた顔の「心」があります。
お客さまにはパッと見わかりにくいかもしれませんが、立札や顔を見ると私にはすぐわかりました。
父は、亡くなる寸前まで顔を描いておりましたのでおそらく最後のほうの顔でしょうか。
とてもとても懐かしい気持ちになりました。
父の顔と、主人の顔をこんなに近くで見比べたのは初めてです。
父が元気だった時は、主人はほとんど父の人形の顔を描きませんでしたから。
主人が父の顔を描くようになったのは、父が亡くなってからです。
来月に父の三回忌ですので、亡くなってもう二年が経つのですね。早いですね・・・。
生前は、断然父本人が描いた顔が好きだと言っていた私ですが
今日見たふたつの「心」は、なんとなく、いえ、間違いなく主人のほうの顔が好きでした。
私は素人同然の目ですので、良い悪いとか、正しい正しくないではなく、好きか嫌いかでしか判断できないのですが
主人の「心」のほうが、ほんのり色気があって、若さがあるというのか、いきいきと且つ凛とした女性の顔をしているように見えました。
皆さんは、この二人の作家の顔を見て、どう思われるでしょうか?
きっとそれぞれの方に、それぞれの好みがあるのだと思うとなんだか幸せな気持ちになります。
「伝統的」な人形として出品した「心」の人形ですが、何十年も生産が続くこの人形にも間違いなく主人の「challenge(挑戦)」は宿っていますね。
とても興味深い展示会です。
皆さん、ぜひ会場までお運びくださいませ。
【展示会】はかた伝統工芸館「次世代を担う継承者たちのchallenge(挑戦)」
会期:7月30日(木)~8月11日(火)
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで。最終日は17:00まで)
場所:はかた伝統工芸館 1階 企画展示室 ※入館無料
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