「ウミネコ ウーちゃん」制作記 その3 ~最大の難関・脚パーツ~
さて、「ウミネコ ウーちゃん」ことウミネコ博多人形。
頭部と身体になる本体部分ができましたので、残りのパーツを作りましょう。
主となる身体は、伝統的な博多人形の制法、素材を使って作っています。
いわゆる土粘土(つちねんど)です。
その他、今回は脚の部分と翼の先の部分に土粘土ではない別素材を採用することにしました。
主人の考えでは、すべてを土粘土で作るよりも細い部分や薄い部分、いわゆる「もろい部分」には、土よりも耐久性の強い別素材を用いたほうが、長期の展示に耐えうるのではないかと。
また、そういった強度の強い素材を使用することでより本物のウミネコに近い繊細さを表現できるのではというこだわりがあったようです。
「言ってみれば、ハイブリット博多人形ね!」だそうです。
脚の芯には、ステンレス棒を選択しました。
見た目の細さと強度とのバランスで、径4ミリものを。
それに針金を扇面状に組んでいきます。
手元にある資料や、スケッチを参考に肉付けしていきます。
今回は、鳥類図鑑の他に「バードカーヴィング」の本も参考に集めました。
ポリパテで肉付けする際は、北九州「いのちのたび博物館」の剥製(はくせい)を見て、触った感覚が頼りになります。
それを思い出しながら、ウミネコの足のくぼみや節を再現します。
依頼主さまとの約束の日まで日数が少なくなってきました。
パテの硬化時間を考慮しながら、彫り込んでいくのですが粘土よりも硬いのでいつもと勝手が違います。
脚の細部は、本体が焼けてから作りこむことにして、土粘土でできた部分を窯にいれます。
焼成です。
なんと!
接着してもないのに脚パーツのステンレス棒を差し込んだだけで自立しました!
「立った!!」
この制作の期間中、主人が一番感動したときだそうです。
私「まるでハイジやね。(#^^#)」
主人「その例えは間違ってない!」そう返ってくるくらいに、よろこんでおりました。
博多人形に使う土粘土とは違う別の素材を使用すること、納品までに時間がないこと、いろいろとハードルはありましたが、一番は本体の土粘土の部分が焼いてしまうと縮んでしまうのでその収縮を考慮して別パーツの大きさを決めることが足や翼の難しかったところではないでしょうか。
さぁ、焼きあがったウミネコ ウーちゃん、いよいよ彩色です!
【!!次回予告!!】
ウミネコ ウーちゃん、旅立ちまで残された日はあと4日。
福岡はサクラの季節真っ盛り。
色味を帯びたウーちゃん。
旅立ちを前に、その心には何がうつっていたのか??!!
どうかどうかあともう少しだけ・・・お付き合いくださいませ。m(__)m
【お知らせ】
今回の「ウミネコ博多人形」制作の様子を約1か月半にわたり、FBS放送局が密着取材してくださいました。
震災復興のシンボルとして、また八戸と福岡の橋渡し役になるようにと依頼いただいたウミネコ博多人形。
放送は本日、2015年4月16日(木)めんたいplus 18:15~の予定です。どうぞご覧ください!